2者間ファクタリングと3者間ファクタリングの違いは?

2者間ファクタリングと3者間ファクタリングの違いは?

ファクタリングには2者間ファクタリングと3者間ファクタリングがあります。それぞれの特徴を考慮してどちらを利用するかを決めることをおすすめします。

 

2者間ファクタリングの仕組み

2者間ファクタリングは、売掛先の承諾を得る必要がなく、契約者とファクタリング会社の2者間で契約を結ぶ仕組みです。売掛債権をファクタリング会社へ売却し、ファクタリングは手数料を差し引いた売掛債権の金額を契約者の口座へ振込みます。そして売掛債権が決済されて契約者の口座へ入金されたら、その資金をそのままファクタリング会社へ支払います。

 

売掛先への通知

2者間ファクタリングは、売掛先への通知をしない代わりに、第三者対抗要件を満たすために「債権譲渡登記」を行う場合があります。これは、債権の持ち主が誰かを第三者に対して明確にするためにも必要な手続きです。ただし、この登記自体は誰でも確認できるので、売掛先が登記の確認をするようなことがあればファクタリングの利用がわかってしまいます。売掛先への通知はしませんが、債権譲渡登記を行う場合は、確実にファクタリングの利用履歴が判明しないとは言い切れない点では注意です。

手数料

2者間ファクタリングは、売掛債権の決済時に契約者の口座を通してからファクタリング会社へ資金が渡ります。契約者が入金された売掛債権の資金を使ってしまえばファクタリング会社としては資金が回収できなくなるリスクが高まるため、3者間ファクタリングに比べると手数料は高くなる傾向にあります。手数料の相場としては10%~30%ほどで、売掛先の信用力、契約者の信用力などをみて総合的に判断されます。ただし、最近ではオンラインで手続きが完結するファクタリングが増えてきました。上場企業や、上場企業グループなどがファクタリングを提供している場合、2者間でも数%から買い取ってもらえるケースもあります。

審査スピード

2者間ファクタリングの審査スピードは早く、申し込みから最短1日〜数日で審査が完了して入金されます。ただし、2者間ファクタリングの場合、3者間ファクタリングに比べるとファクタリング会社のリスクが高くなるので審査は厳しくなる傾向にあります。

 

3者間ファクタリングの仕組み

 

3者間ファクタリングは売掛先・契約者・ファクタリング会社の3者間で契約を結びます。2者間ファクタリングとは異なり、売掛債権の決済時は売掛先から直接ファクタリング会社に支払いが行われます。

取引先への通知

3者間ファクタリングは、ファクタリングを利用することを売掛先の了承を得てから実行します。そのため、ファクタリングを行うことが債務者へ通知され、債務者からの承諾を得て、債権譲渡通知が行われるので、取引先にファクタリングをすることは確実に通知されます。ただし、この通知を行うことにより債権譲渡登記をしなくても第三者対抗要件を満たすことになります。

 

2者間ファクタリングの場合、売掛先にファクタリングの事実を知られることは原則ありませんが、3者間ファクタリングでは売掛先への通知が必要となり、「あの会社業績が悪いのかも」とに勘繰られてしまう可能性もあります。そうすると今後の取引に影響がでる場合もあるので、その点は慎重に考える必要があります。

手数料

3者間ファクタリングは、2者間ファクタリングとは異なり売掛債権の決済時に売掛先からファクタリング会社へ直接入金されるので、ファクタリング会社としては資金回収リスクが減ります。売掛先の信用力にもよりますが、手数料は1~10%ほどになることが多いです。ただし、売掛先の信用力が低いと判断されれば3者間ファクタリングでも数十%になる可能性もあります。

審査スピード

3者間ファクタリングは、売掛先の信用力が高ければ審査自体は数日で終わります。ただし、売掛先への通知や承諾を得るのに時間がかかれば契約手続きにも影響するので、入金までのスピードは2者間ファクタリングに比べると遅くなるケースもあります。3者間ファクタリングの入金は15日間~30日で行われることが多いようです。

 

ご自身の企業に合ったファクタリングを選ぼう!

2者間ファクタリングの方が、売掛先に承諾を得る必要がないので手軽かつスピーディーにファクタリングの利用ができる一方、ファクタリング会社のリスクも大きくなるので手数料が高くなる傾向にあります。

 

3者間ファクタリングの場合は、売掛先の承諾を得てから契約を結び、売掛債権の決済時は売掛先からファクタリング会社へ直接支払われるので、資金回収リスクも少なく手数料水準は低くなります。ただし、売掛先への通知・承諾が必要になるので2者間ファクタリングのように数日で入金というのは難しいです。

 

また、ファクタリングを利用しているという事実が信用不安を招く可能性をあるので、売掛先にファクタリングをしていることを知られたくない場合には向きません。

このように2者間ファクタリング・3者間ファクタリングにはそれぞれメリット・デメリットがあるのでご自身の企業の状況やニーズに合ったものを上手く利用してください。