社団法人とは

社団法人とは

社団法人というと一般の人が設立できないと思っている方もいらっしゃるかもしれませんが、他の法人と同様、定められた手続きを踏めば設立は可能です。

本記事では、社団法人とはどのような法人で、他の法人形態とどう違うのかといった点やメリット・デメリット、ファクタリングを含めた資金調達法について解説していきたいと思います。

 

社団法人の特徴

社団法人とは、一定の目的で構成員が結合した団体で法律によって法人格が認められたものです。社団法人の構成のことを社員、団体のことを社団と呼ぶことから「社団法人」と呼ばれます。ちなみに、「一定の目的で構成員が結合した団体」という説明であれば大学のサークル等でも該当しますが、こうした団体のことは「権利能力なき社団」として社団法人とは区別されます。なお、社団法人には一般社団法人と公益財団法人、特例社団法人の3つがあります。

 

介護事業でよくみられる形態

一般社団法人は、営利事業と非営利事業を区別して経営できるという特徴があります。このため、これらを混同してしまいやすい介護事業においてよく見られる形態となっています。

 

社団法人のメリット・デメリット

社団法人には以下のようなメリット・デメリットがあります。

メリット1:事業内容を自由に決められる

社団法人はNPO法人と同じように非営利である必要があります。

また取り組む事業について、NPO法人は20分野の特定非営利活動が認められているのに対し、一般社団法人は事業内容について特に定めがなく自由度が高く活動しやすくなっています。

 

メリット2:社員2名から設立できる

一般社団法人は社員2名から設立が可能です。

設立の際には株式会社と同じ程度の費用が必要になりますが、NPO法人のように地方公共団体から認証を受ける必要がない分、時間をかけずに法人を設立できるようになっています。

 

メリット3:税制上のメリットがある

これは、他の法人も同様ですが、個人で事業に取り組んでいると、その利益の大きさに応じて是率が高くなってしまいますが、法人化してしまうと法人税の課税対象となり、これは累進課税制度ではありません。このため、一定額以上の収益がある場合には個人事業主ではなく一般社団法人などの法人を設立することで納める税金を安く押さえやすくなります。ただし、法人税のうち、法人住民税は例え利益が0円であっても毎年7万得分税金を納めなければならない点に注意が必要です。

 

デメリット1:NPO法人と比べて社会的信用に欠けることがある

一般社団法人と似たものにNPO法人がありますが、NPO法人が地方公共団体から認証を受けて設立されているのに対し、一般社団法人はこうした認証を受ける必要がない分、社会的信用に欠けてしまうことがあります。

 

デメリット2:公益社団法人になるためのハードルは高い

一般社団法人であっても社会的信用を高めたいという場合には、公益認定を受けて公益社団法人になるという方法がありますが、公益財団法人になるためにはいくつもの条件があり、高いハードルを乗り越える必要があります。

 

デメリット3:利益を配分できない

これはNPO法人と同じ仕組みですが、株式会社の場合事業を通して得られた利益は配当金として配分できますが、一般社団法人は利益を配分することができず、基本的には次の事業のために使うものとされています。

 

社団法人の資金調達法

法人の資金調達法としては金融機関からの融資や補助金等の活用、ファクタリングといった方法があります。一般社団法人はNPO法人と比べて政府の認証を受けていないため、社会的信用は比較的低くなってしまいます。このため、融資審査時には審査が厳しくなることも多いでしょう。

 

また、信用保証協会の融資ではそもそも「一般社団法人はNG」となっているなど、審査も受け付けてくれないこともあります。

 

社団法人でファクタリングを利用できるの?

非営利であることが条件の社団法人ですが、売掛債権がある場合には問題なくファクタリングを利用することができます。

 

細かなところでの相違点はありますが、ファクタリングを利用する際の審査では一般社団法人にせよ、株式会社など他の法人にせよ基本的には同じです。

 

つまり、ファクタリングの審査においては売掛先の信用情報などが主にチェックされ、ファクタリングを利用しようと考えている会社の業績等は重要な要素ではなくなります。

 

特に会社の業績が悪化している中での資金調達となると、金融機関からの融資など審査がある場合には審査が厳しくなってしまうため、融資が受けられない時のことを考えてファクタリングという方法があることを知っておくとよいでしょう。

 

まとめ

社団法人についてお伝えしました。

非営利目的であることが条件であるなどNPO法人と似た部分の多い社団法人ですが、自由に業種を選べるという違いがあります。

 

一方、地方公共団体の認証を得ないため、社会的信用という点で劣り、このことが資金調達にも影響を及ぼすことに注意が必要です。