資金調達の方法には何がある?ファクタリングなど5つ紹介
事業の安定化には、資金調達先の確保が欠かせません。昨今のトレンドともいえるファクタリングはじめ、銀行融資や消費者金融のビジネスローンなど、さまざまな方法があります。今回は、事業資金の確保に役立つ代表的な資金調達方法を5つご紹介します。利用の際は、それぞれの特徴や目的に合うかどうかを見極めたうえで選びましょう。
ファクタリング
ファクタリングは、売掛債権の譲渡で期日前に現金を調達する方法です。いくつかの種類がありますが、資金調達の目的で選ばれるは、「買取ファクタリング」と呼ばれる種類です。資金繰りを改善したいときや、投資や支払いなどで一時的に現金を確保したいときに利用されます。
審査で主に重視されるのは「売掛先の与信力および債権の実在性」と「ご利用企業の財務状況」です。
ファクタリングには手数料がかかり、売掛債権額の1~30%。この利率は、売掛先の信用度や契約方式などのリスクの度合いに加えて、サービスを提供している会社に寄っても異なってきます。初めてのご利用の際は、必ず複数のサービスを比較検討するようにしましょうなお、万が一売掛先の倒産などで未回収となった場合、利用企業に支払い義務はなく、ファクタリング会社の負担となるのが一般的です。そのようなリスクも加味して手数料が算定されます。
銀行融資
事業資金の調達法といえば、昔は銀行融資一本でした。現在も大手中小問わず、多くの企業の資金調達先となっています。
銀行がお金を貸しだす際、毎月の返済額に付されるのが金利です。相場は借入金額によりますが年利数%程度。この金利は毎月の返済に充てられます。トータルでどれくらいの利息を払うことになるか、シミュレーションすることが大切です。
金利を決めるのは、融資を受ける企業の信用度や、融資額、返済方法など、返済能力を判断できる指数がその基礎となります。また、変動金利か固定金利かの違い、銀行にとってどれくらいの利益が出るかといった要素も含みます。
金利が低い反面、銀行融資の審査は厳しくなります。資金力が乏しい企業の利用はハードルが高いかもしれません。
民間ローン
消費者金融や信販会社といった、ノンバンク(預貯金サービスがない)の金融機関からお金を借りる方法です。ちなみに、消費者金融といっても大手などはメガバンクと密接な関係にあり、審査や回収などは消費者金融窓口でありながら、資金面は銀行がバックアップしていたりします。
とはいえ、審査は銀行融資ほど厳しくなく、中小企業やベンチャー、個人事業主でも借りやすいのが特徴です。その反面、金利は高く、5~18%が毎月の返済に充てられます。貸し倒れリスクを高い利息でカバーする一面が民間のビジネスローンにあるといえます。
リスクがあるのは借りる側も同じです。資金を確保した後は、長期の返済が待っています。申し込む前にシミュレーションで返済可能かどうかを調べておかないと、財政に深刻な影響を及ぼす可能性もあるので注意が必要です。
日本政策金融公庫
日本政策金融公庫は政府系の金融機関です。さまざまな融資部門を設けており、中小企業や個人事業主、ベンチャーに向けた融資、あるいは企業再生やエネルギー事業、IT活用といった目的別の融資制度もあります。
利益を追求しなければならない銀行や民間ローンと異なり、日本政策金融公庫には企業育成という名目があります。そのため金利は極めて低く、中小企業向け融資の金利は1.11%、特別利率が認められる場合は0.30~0.71%の低金利で融資が受けられます。
ただし、審査は厳密に行われ、落ちる可能性も低くありません。企業としての有望性や事業の可能性、成長分野かどうかが経営計画書などを通して厳格にチェックされるため、申し込みまでに相当な準備が必要です。審査に通っても融資までに時間がかかり、急を要する場合の資金調達としてはとても不向きな方法といえます。
エクイティファイナンス
エクイティファイナンスとは、新株発行で事業資金を確保する方法です。エクイティとは「株式資本」を意味します。
エクイティファイナンスには、主に次の4つの種類があります。
種類 | 内容 |
公募 | 時価で新株を発行。株価が高いタイミングで発行すれば多額の資金調達も可能。 |
株主割当増資 | 発行した新株の割当権利を株主に与え、資金を集める方法。株主の新株への払い込みは任意。 |
第三者割当増資 | 発行した新株の割当を第三者にまで広げて資金を集める方法。自社の株価が低い場合に利用されることが多い。 |
転換社債型新株予約付社債 | 企業株式に転換できる社債を発行し、利払いを得る方法。株価が上がったタイミングで転換すれば大きな利幅も期待できる。 |
エクイティファイナンスは株式という資本を活用して資金を調達する方法です。資金を得ながら資本強化できる反面、株主の権利濫用のリスクは否定できず経営方針に影響がでる可能性に注意したいところです。
まとめ
資金調達方法を5つご紹介しました。それぞれのメリット・デメリットを理解のうえ、最良の選択につなげてください。