個人事業主の方の資金調達法

個人事業主の方の資金調達法

事業を行うには必ずしも法人化しないといけないわけではなく、1人か少人数であれば個人事業主のままでいるという方法もあります。本記事では、個人事業主の特徴とメリット・デメリットをお伝えすると共に、資金調達する際の注意点などご紹介します。

 

個人事業主とは

個人事業主とは個人で事業に取り組むもので、1人で事業をするのはもちろん、家族を事業専従者としたり、人を雇って給料を支払ったりすることもできます。法人と比べると、設立にコストがかからない他、税金や社会保険関係の手続きも手間がかからず楽に済ませることができるといった特徴があります。一般的に事業規模が小さく社会的信用も小さいため、資金調達には苦労することが多いでしょう。

 

個人事業主のメリット・デメリット

個人事業主には以下のようなメリット・デメリットがあります。

メリット1:税金関係の手続きが楽

法人化すると専門知識がないと自分で確定申告するのが難しくなります。一方、個人事業主であれば少し仕組みを勉強するだけで、十分自分1人で税金の手続きをすることができるでしょう。特に最近では、無料もしくは安価で利用できる高機能な確定申告サービスもたくさんできており、これらを活用すればより負担は小さくなるはずです。

 

メリット2:青色申告することでさまざまな税制上の優遇を受けられる

個人事業主の確定申告には白色申告と青色申告があります。この内、青色申告とは複式簿記による方法で確定申告することでさまざまな税制優遇を受けられるもので、青色申告特別控除や専従親族の給与向上、3年間の繰越控除などが利用できます。

 

メリット3:税務署に開業届を出すだけで事業を始められる

法人化して事業を行うには、登記する必要があり、最初に数十万円の費用を支払う必要がありますが、個人事業主であれば、税務署に開業届を出すだけでよいので、無料ですぐに事業を始めることができます。もちろん、最初は個人事業主として始めて、利益が大きくなったときに法人化する法人成りという方法を選択することもできます。

 

デメリット1:利益が大きくなると税負担が高くなる

個人事業主で得た利益は個人で所得税や住民税を支払う必要があります。この内所得税は累進課税制度となっており、所得が高くなればなるほど税率が高くなり、最も高い税率だと合計で55%もの税金が取られることになります。法人化すると所得税の代わりに法人税を納める必要がありますが、こちらは累進課税ではないため、所得が大きくなるほど法人化するメリットが大きくなります。

 

デメリット2:状況によっては国民健康保険の負担額が大きくなる

個人事業主の場合、個人で国民健康保険に加入する必要があります。法人化すると社会保険に加入することができますが、社会保険は扶養制度があるのに対して、国民健康保険にはこれがありません。つまり、奥様やお子様など扶養に入っている人が多いと、国民健康保険ではその人数に応じて保険料が高くなります。一方、社会保険は奥様やお子様など扶養に入っている人の分は、保険料を負担する必要がないため、状況によってはお得に利用できます。

 

デメリット3:社会的信用が低い

個人事業主は一般的に法人と比べると社会的信用が低いといえるでしょう。

また、事業の規模も小さいのが一般的で、大きな額を資金調達して、規模の大きな事業を行いたいという方には向いていないといえます。

 

個人事業主の資金調達法

個人事業主も、法人と同じように、事業の業績に応じて金融機関から融資を受けることができます。この場合の審査も、法人と同じく、そのときの業績や事業の将来性が見られることになります。とはいえ、一般的には法人と比べて社会的信用が低く、また事業の規模が小さいことが多いことから、大きな額の融資を受けるのは難しいことが多いでしょう。

 

融資以外の資金調達法

法人化すると社債の発行や上場することで市場から資金調達するといったことも可能になりますが、個人事業主の場合にはそうした資金調達法はできません。

 

また、金融機関から融資を受ける場合、これは法人の場合も同じですが、業績がよくないと融資の審査で承認を得ることが難しく、本当にお金が欲しいときに資金を調達できないというリスクがあります。

 

こうしたときにおすすめなのがファクタリングです。

 

ファクタリングでは、契約を結ぶファクタリング利用会社の業績等はほとんど見られず、売掛先の業績や信用がチェックされることになります。

 

将来、業績が悪化しなんとか資金調達したいという事態に陥ったときにファクタリングという方法があることを知っておくことは大切なことだといえるでしょう。

 

まとめ

個人事業主について、特徴やメリット・デメリット、資金調達法についてお伝えしました。

 

事業の規模が小さいときは個人事業主として事業を行い、事業の規模が大きくなるにつれて法人化を考えるのが一般的な流れだといえるでしょう。

 

資金調達という面では、個人事業主は社会的信用が低く、また選択肢が少ないこともあり、いざというときのためにファクタリングという方法があることを知っておくことをおすすめします。