ファクタリングが有効な業種は?

ファクタリングが有効な業種は?

ファクタリングはさまざまな業態で活用されますが、特に「売掛金の金額が大きい」「売掛金を回収するまでの時間が長い」業種で多く利用されています。具体的にどのような業種で利用されているのでしょうか。

 

業種別で見るファクタリング

ファクタリングは基本的にはどの業種でも利用できますが、特に利用が多い業種を紹介します。

 

建設業

売掛金額が大きく、売掛金を回収するまでに時間がかかる建設業では、ファクタリングを利用する企業が多いです。特にマンションやビルを建設する時に元請けとなるゼネコンは、窓や壁紙などを仕入れる都度下請け先に支払いが必要になりますが、実際に建物が完成するまで売掛金は回収できません。ただでさえ、売掛債権の回収までに時間はかかりますが、工事が長引くようなことがあればさらに資金繰りは苦しくなるでしょう。このように長期に渡る工事では将来的に売掛債権の金額が回収できるとしても下請け先への材料費や人件費などの支払いは都度行わなければいけないので資金繰りが悪化しやすくなることも容易に想像できます。手数料を支払ったとしても早い段階で売掛債権を売却して現金化して、経費の支払いに回すことで資金繰りを改善できる可能性があります。

 

運送業

運送業は、人件費や燃料などの経費を頻繁に支払う必要がありますが、実際に運送費を回収できるのは翌月以降になります。突発的に車両トラブルが起きた場合や燃料が急騰した場合などに、資金がギリギリとなる可能性があり、黒字倒産にもなりかねません。このような突発的なトラブルも想定し、あらかじめファクタリングを利用して手元資金を潤そうとする企業も多いのです。

 

また、最近はネット通販が急速に普及したことから宅配便の件数はかなり伸びています。そして、これを商機だと考えて、新しいトラックの購入を考える企業も多いです。ファクタリングは融資よりも早く資金調達ができるので、一刻も早く現金を得てトラックなどの設備投資を行いたい企業にとって有効な資金調達方法といえます。

 

アパレル

アパレル業は在庫を多く抱える業種です。洋服を作ってから、実際に商品を店頭に並べてお客さんの元に渡るまでには数ヶ月かかりますが、その間にも材料費や人件費を支払う必要があるため、資金繰りは厳しくなる傾向にあります。また、想定していたほど作った商品が流行しなかった場合や、暖冬や冷夏になり売上予想が外れた場合は、さらに資金繰りは悪化します。ファクタリングを利用することで、仕入費や外注費の支払いに充てることができ、資金繰りの改善が可能になります。

 

製造業

製造業の中でも大手企業の下請け会社の場合、発注からすぐに納品できるように多めに在庫を抱えている企業もあります。在庫期間が長くなるほど材料費の支払いから売掛金の回収までの時差ができて資金繰りは厳しくなります。そのため、手元資金を潤沢に用意しておきたいと考える製造業の企業は、商品が売れ、債権化したらファクタリングを活用して現金化することで、資金繰りを改善するケースがみられます。

 

IT

IT業界では、システムを開発して受注先へ納品するまでに時間がかかります。開発が長引けば売掛金の回収までに数ヶ月〜数年に及ぶこともあるります。その間にも人件費などの支払いが必要になるので、資金繰りは悪化しやすいです。利益率が高い業種ではありますが、売上や利益はきちんと出るのに黒字倒産となってしまうのは避けたいところです。このようなケースでもファクタリングは有効です。

 

人材派遣業

人材派遣業も実はファクタリングの利用が非常に多い業種です。派遣先企業からの派遣費用の支払いが数ヶ月後でも、派遣スタッフには当月に給料を支払う必要があります。この時差が大きければ資金繰りは厳しくなるためファクタリングの利用が有効です。

 

医療

病院での診療報酬、介護報酬、調剤報酬などの医療報酬は、費用の一部を国が負担しています。たとえば、診療報酬の場合は一般的には患者負担が3割で7割が国の負担です。(子どもや老人の負担割合は異なります。) 国の負担分については、1ヶ月分をまとめてレセプトと呼ばれる医療報酬の明細書を作成して国へ報告します。報告が認められた場合に国から支払いが行われますが、回収までには申請から2ヶ月〜3ヶ月かかってしまいます。資金が潤沢な場合は問題ありませんが、資金繰りが不安な開業間もない病院などはファクタリングを利用することが多いです。

 

医療報酬は、国から支払われるということもあり、信用力が高い売掛債権なのでファクタリング会社としても安心して買い取ることができます。そのため、手数料水準も他のファクタリングに比べると低水準に抑えられるのです。

 

医療報酬は、国から支払われるということもあり、信用力が高い売掛債権なのでファクタリング会社としても安心して買い取ることができます。そのため、手数料水準も他のファクタリングに比べると低水準に抑えられるのです。

 

さまざまな業種で活用できるファクタリング

ファクタリングは、、上記の通り、企業向けに売掛金が発生する企業であれば基本的にどんな業種でもファクタリングは活用できます。ファクタリングは銀行融資に比べると審査に時間がかからず、入金も早いのが特徴です。売掛債権が大きいにもかかわらず「売掛金の回収までに時間がかかる」という理由から資金繰りが悪化している場合には是非利用を検討してみてください。