ファクタリングはどんなときに利用される?
新たな資金調達方法として浸透してきたファクタリングですが、その活用によりキャッシュフローを改善した例や、数千万円規模の調達額で売上拡大を実現した例など、さまざまな成功例があります。ファクタリングはどのような状況のときに利用されるのでしょうか。具体例を挙げながら解説いたします。
例1.「事業を立ち上げたばかりで資金調達が難しい」
「オフィスを開業したばかりで運転資金が足りない」
「店舗を構えたものの信用が低いせいか融資を断られた」
「順調に契約数を伸ばしているのに、入金が遅いせいでなかなか軌道に乗らない」
ファクタリングの利用は、事業を立ち上げたばかりの起業家の間でも広まっています。売上の基盤が整わず資金繰りが厳しくなる起業時に素早く現金化できる手段だからです。
創業時に役立てたい融資サービスといえば、銀行・信用金庫からの融資、ビジネスローン、公的機関からの融資や補助金などです。しかし、小規模の企業だったり、小さな店舗を構える個人経営の会社だったりすると、なかなか審査に通りません。売上が立たない間も、オフィスの維持費や人件費の支払い日は訪れます。また、当面の運転資金も捻出しなければなりません。資金は会社にとって血液のようなもので、うまく循環させないと経営は立ち行かなくなるのです。
融資を断られた場合は、ファクタリングの利用でピンチを切り抜けられないか検討してみましょう。間口が広く、小規模ベンチャーや個人事業主でも比較的利用しやすい資金調達方法です。売掛債権と引き換えに期日前の現金振り込みが可能となり、円滑な企業経営と事業の安定化をサポートします。
例2.「入金が2、3ヶ月も後で資金不足」
売掛金の入金遅れや支払いサイトの長期化は企業にとって頭の痛い問題です。支払いを待っている間にも原材料コストや人件費、広告費など事業に必要な経費は絶えず発生します。数字上は売上を記録できてもキャッシュを確保できなければ経営は安定化せず、黒字倒産を招く事態も考えられます。
ファクタリングはそんな資金不足の状況を打開する効果があります。売掛債権を譲渡して現金に変えることができるので、キャッシュフローの改善やつなぎ資金の確保に有効です。金融機関やノンバンクから融資を断られた企業でもファクタリング会社の審査に通った例は多くみられます。
税金や保険の支払いをリスケ中の間は金融機関やノンバンクからの追加融資も難しくなりますが、ファクタリングの場合は売掛先の与信に問題さえなければ利用できる可能性があります。資金繰りに課題を感じている場合はファクタリングの利用を検討してみましょう。
例3.「事業投資で売上を伸ばしたい」
売上拡大や新規の顧客開拓には思い切った事業投資が必要となります。しかし、それもまとまった資金があっての話です。ファクタリングはビジネス拡大のための事業投資にも有効な資金調達方法です。
ファクタリングでは5000万円や1億円といった多額の調達も可能です。このような大きな金額を金融機関のビジネスローンで調達しようと思えば不動産担保が必要となります。ファクタリングに不動産は必要なく、将来の売上収入を約束する売掛債権があれば、売掛金の額に応じて数千万から億単位の額の調達も難しくないです。
手数料はかかりますが、それ以上に売上を伸ばした例もあるので、投資の機会と思ったらファクタリングの利用を検討する価値はあるかと思われます。
「2者間」「3者間」どちらを選ぶ?
ファクタリングには、取引先への申告が必要ない2者間ファクタリングと、債権譲渡の通知が前提の3者間ファクタリングがあります。
2種類のうちいずれかを選ぶことになるわけですが、それぞれを選ぶときのポイントをご説明します。
「スピーディに資金を調達したい」なら2者間ファクタリング
2者間ファクタリングでは売掛債権譲渡の告知義務がありません。取引先の承諾を必要とせず与信調査のみで手続きが進むため、スピーディな資金調達が可能となります。
売掛債権の譲渡を打診しただけで経営不振を疑われる可能性があります。取引先との信頼関係が損なわれるのを危惧する企業にとっても2者間ファクタリングは利用しやすい方法です。
「手数料をできるだけ安く」が希望なら3者間ファクタリング
ファクタリング会社の立場からすると、3者間ファクタリングは売掛先から直接入金されることになるため、未回収リスクを軽減できます。そのため2者間ファクタリングより手数料が安くなる傾向にあります。手数料を抑えたい場合は3者間ファクタリングを検討してみてください。
ただし、売掛債権の譲渡を告知して同意を取り付けるプロセスが不可欠です。痛くもない腹を探られるリスクを考慮する必要があります。
まとめ
ファクタリングの利用例をご紹介しました。起業したばかりで資金繰りが苦しいとき、入金が数ヶ月先の売掛金をいくつも抱えて資金ショートのリスクが迫ったとき、金融機関やノンバンクより資金調達がしやすいファクタリングの利用で改善できないか検討をしてみましょう。
また、思い切った事業投資やフレキシブルな営業活動のための資金確保にも役立ちます。そこでは計画性や戦略的な視点も持ってうまく活用してください。